<電話相談>小学校 1年男子児童の母からの相談
【課題状況】
・ 5月の連休明けごろから、朝になると行動が鈍くなり、登校を渋るようになっている。
・ 夫は、「心配しなくていい。大丈夫だ。」と語るのみ。
・ 学級担任に学校の様子を尋ねたところ、「級友と楽しく過ごしている。
給食も全部食べている。」との短い報告があったのだが…。
【相談経過】
① 「このままでは、不登校になってしまうのでは…。」と心配されるお母さんのお話を
じっくり伺いました。
② 本人の学校生活についての具体的な情報が欠けることが、心配を大きくしていたようでした
ので、「担任の先生に電話で連絡し、学校生活の実際を聞く」ことを勧めました。
③ 家庭では、登校を続けている本人の努力を心から認めるとともに、帰宅後は、本人と一緒に
いる時間を大事にすることを勧めました。
<電話相談>中学校 1年女子生徒の母からの相談
【課題状況】
・ 9月ごろから表情が優れなくなった。
・ 合唱コンクールに向けた朝練習への参加を嫌がるので、理由を聞いたところ、本人が
「いじめられている」と口にした。
・ 担任にはまだ知らせていないのだが、どうしたらいいのだろう…。
【相談経過】
① わが子が「いじめ」の当事者となったことのショックや、わが子の苦しみに気づかずにいた
自責の念などを、じっくりお聴きしました。
② 本人が口にした事実と親としての思いを、すぐに学校に伝えるよう勧めました。
③ 今後の対応では、本人の意向を尊重することが大事であることを伝えました。
④ センターの来所相談も紹介しました。
<電話相談>小学校(特別支援) 3年男子児童の母からの相談
【課題状況】
・ 幼稚園でも一つのことに集中できなかった。小学校入学後、授業中の離席などが目立ってきた。
・ 1~2年時は、学級担任が丁寧に対応してくれていたが、3年になってから心配な行動が
エスカレートしている。
・ もしかしたら障がいがあるのではないか?診てもらえるのだろうか…。
【相談経過】
① インターネットで検索した発達障がいの特徴とわが子の様子が共通していたことにショックを
受け、不安を募らせておられるお気持ちをじっくりと伺いました。
② 子どもさんの生活の様子をお聞きし、課題や状況を整理しました。
③ 専門機関として、山形県発達障がい者支援センターへの相談を紹介しました。
④ 学校との連携は今後ますます重要になることから、担任との面談を勧めました。
<電話相談>高等学校 2年男子生徒の父からの相談
【課題状況】
・ 1年後半から生活が乱れた。欠席も増えたが、追試験で何とか進級できた。
・ 2年の6月、担任から生活と学業の実際が知らされ、「このままでは単位取得が難しい」と
告げられた。
・ 本人は転校すると言っているが…。
【相談経過】
① 「息子の生活を何とかしたい」との強い思いをじっくり伺いました。
② 本人の生活状況や進級の条件などを、親として正確に理解することの必要性を説き、
まず担任に連絡することを勧めました。
③ 表面に出た本人の言動に踊らされず、学校と話し合いながら少しずつ、時間をかけて
決めていくことを勧めました。
<電話相談>教員 小学校3年の担任からの相談
【課題状況】
・ 学級経営が思うように進まないのだが、学校には相談できる先生がいない。
・ 子どもに学級不適応の兆しがある。
【相談経過】
① 孤立感、焦燥感をお持ちの先生のお話をじっくり伺いました。
② すぐできそうなことに絞って相談しました。
③ センターに来所しての相談を勧めました。
<来所相談>小学校 3年女子児童
【相談のきっかけ】
・ 9月中旬、学級担任の紹介で母から電話相談。
・ 電話で御相談の内容を確認し1週間後の予約となる。
本人が応じたら一緒に来所することとし、 来所相談を無理強いしないことを確認。
・ 主な相談は、本人に体調不良と登校の渋りがあること。
【相談経過】
① 初回は、母と本人が来所し相談が始まりました。
まずは、遊戯室で、母子と相談員の3名で面談し、途中からは遊具を使っての遊びを
取り入れました。
② 2回目の相談から母は相談室に移動し、母と子が別の部屋で過ごすようにしました。
母と相談員は、本人のこと、家族のこと、学校のことをじっくり語り合いながら、
親としてできることを考えるようにしました。
<来所相談>中学校 1年男子生徒
【相談のきっかけ】
・ 5月下旬、教育相談リーフレットを見て、母から電話相談。
・ 部活動になじめないことや、本人の「学校面白くない」との言葉に、母はと心配になる。
・ 母は、解決をめざし自分が積極的に動きたいとの意向。
・ 3日後に来所予約となり、両親が相談に来られた。
【相談経過】
① 両親揃っての来所に感謝を伝えるとともに、本人の学校生活と家庭での生活の様子を
確認しま した。
② 一番上の子だったので、中学校への遠慮から学級担任にはまだ相談していないこと、
本人は担任に対して比較的良い印象を持っていることなどがわかりました。
そこで、早速学級担任に連絡し、親の思いを伝えてみることになりました。
③ 相談員は、担任との連絡が比較的取りやすい時間帯や面談を申し込む際の具体的な言葉の
選び方などを一緒に考えました。
④ 2週間後に2回目の来所相談を行いました。
母のみの来所でしたが、相談員はその後の本人の様子や先生方の援助の実際を確認し、
良好に推移していることが判明したので、学校との関係も、本人とのかかわり方も、
今のやり方をもう2週間続けることを確認しました。
⑤ その2週間後、3回目の来所相談では、期末テストに向け意欲を示している本人の様子が
明らかになったので、来所しての相談はいったん終結することにしました。
⑥ 1ヶ月後、母から電話で相談があり、夏休みに入ってからは更に元気で、部活動で毎日
頑張っていることが伝えられました。
<来所相談>高等学校 2年男子生徒
【相談のきっかけ】
・ 6月中旬、「出席日数不足と成績不良を担任から指摘された」と、母親から電話で
相談があった。
・ 本人は、1年の後半から生活が乱れ、追試験や補講などでようやく進級できた。
・ 現在は、遅れて登校し、遅くに帰宅することが多い。
・ 「こんな学校やめてやる!」と口走ることもあり、今後どうしたらよいか困っている
との相談。
・ 電話より、直接お会いした方がじっくり相談できるので、1週間後に来所相談の
予約となる。
【相談経過】
① 母一人で来所され、相談が始まりました。
その日の朝も、「登校する・しない」で本人とひと悶着(もんちゃく)あり、相当疲れた表情で
これまでの経過等を涙ながらに語られました。
② 1年の後半からは父親との関係が悪く、双方に聞くに堪えない暴言や暴力的な振る舞いが
見られた様子。父と子の間で、自分はどう考えどんなふうに振る舞えばよいかわからないこと、
こんな事態を招いたのは自分の子育てが間違っていたこと、今は全てに自信を失って悪いこと
ばかりを考えてしまうこと、などが語られました。
③ 相談員は、母親としての迷いや苦悩をじっくりお聴きし、母親の誤った理解や 思い込みが
少しでもほぐれるよう努めました。
④ 進級や今後の進路については、父親の意向も大事にする必要があることを確認し、まずは
夫に対して母としての今の率直な思いを言葉で伝え、二人が力を合わせて
考えていくことが事態の解決につながるとの認識を確認しました。
⑤ 遠方であったので、その後は電話での相談が約4カ月続きました。
母一人で乗り越えられそうにない場面に出会うたび、電話で自分の考えを語られました。
電話の中で相談員に語ることで、その後の対応を決意され、実行につなげようと
されていました。
⑥ 半年ほどして、電話で来所相談の申込みをされました。
お会いして伺うと、本人は新たな進路を決意したことや、本人の次なる進路を話し合う中で、
親と子どもの関係、そして自分を夫との関係が少しずつ良くなって いったことなどが語られ、
相談は終結しました。